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千波 一也の部屋


[847] 閉じてゆく言葉
詩人:千波 一也 [投票][編集]


きみの言葉の行く先を

わたしはひとつに

収めてしまう



 無限に広がりそうな

 孤独の定義の

 予感に

 おびえて



きみの言葉に

息づくものと息づかないもの


わたしはそれを

探りあてようとしたけれど

居場所が欲しかった、

ほんとうは



 無数に取り残されたこの空を

 自由、と呼ぶには

 こころぼそい


 一瞬の、

 一瞬のすべてをもって

 人はいくつも

 人にうまれる


 うしない続ける歓びを

 受けとめかねて

 確かめかねて



きみの言葉が

伝えきれなかったひとつに

取り込まれてわたしは、

残される


きみの言葉の哀しみに

わたしはわたしを

閉じてゆく



 上手に囲われ消えてゆく

 風の報せは

 誰かの

 時計


 たとえばきみの

 言葉の続きを

 聴くための


2008/01/07 (Mon)

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