ホーム > 詩人の部屋 > 千波 一也の部屋 > ゆらゆら、尾ひれ

千波 一也の部屋


[851] ゆらゆら、尾ひれ
詩人:千波 一也 [投票][編集]


  いい匂いがしたもので

  いい気になって

  追いかけて


  できないことは

  どこにもない、と

  一目散に

  忘れもの



   置き去りはいつも

   ひとりぼっちの

   さかな


   やがて

   じわじわ

   仲間になるよ


   瞳を閉じて

   海のなか


   まっすぐ曲がれば

   おなじに

   なるよ



  どうしようもなく

  逃げ惑う音だけ

  鮮明だから


  ゆらゆら、

  尾ひれ


  きょうも誰かが

  迷ってる


2008/01/15 (Tue)

前頁] [千波 一也の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -