詩人:千波 一也 | [投票][得票][編集] |
わたしを
離れない嘘たちが、ある
それはかならずしも
苦しみではないゆえに
より果てしなく
むしばむ、
わたし
どこをどうすれば
間違えてきたものを正せるだろうか、と
いつしか賢くなりそこねて、
すがりついた
ものたち、
もろとも、
転げたときから
起きていない
さかさまのまま
恥じらいをこめて
ただただ必死に呼んでいた
あらゆるさまを
この、ありさまで
わたしを離れない
嘘たちの、嘘
ほんとうは
すぐにも消えそうな日々を
良しとはせず、
口調のなかに
歩調のなかに
そのときどきで数をならべて
ながされつつも
向かっている
満ち足りて、
わたしは
知らないほうがいい、と語る割には
堂々としたこの哀れさを
ほどかぬための
風であろうか
それは、ときに不自由に
わたしを離れない
ことばのように