いつからか従えずにはいられないようなある種の隷属のなかで炎をおぼえたつめたい石を蹴飛ばしながら無言の雨に含まれ、ながらえ、水たちの森は鏡をとおり吸いあげられて知らないことばがよみがえるいくつもこぼれた過ちをついばむ小鳥の一羽となって灯り、ほのかにまがいもの、かも知れない朝がくる根を張る禁忌に背かれ続けているような樹木の日々を束ねては畏怖のかたちに冴えていた燃されず火を散る葉脈として
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