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千波 一也の部屋


[877] 樹木の日々
詩人:千波 一也 [投票][編集]



いつからか

従えずにはいられないような

ある種の隷属のなかで

炎をおぼえた



つめたい石を蹴飛ばしながら

無言の

雨に


含まれ、ながらえ、




水たちの森は

鏡をとおり吸いあげられて

知らないことばが

よみがえる



いくつもこぼれた過ちを

ついばむ小鳥の

一羽となって


灯り、

ほのかに


まがいもの、かも知れない

朝がくる




根を張る禁忌に

背かれ続けているような

樹木の日々を

束ねては


畏怖のかたちに冴えていた




燃されず火を散る

葉脈として




2008/02/04 (Mon)

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