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千波 一也の部屋


[878] 縫い針
詩人:千波 一也 [投票][編集]



ひとが

つとめて

恥じらえるよう、


糸はほつれに優れています




こころ

こまやかに

誰もが夜を縫いかねて


きらめく星に

焦がれてしまう



かばい合う布として

擦り切れやすさを離れていかず、


思い

思いに

火と水は




すべからく

かよわきことがはじまりです



原罪の果て

どこにも咲かない救いのために

うまれて喜ぶいたみを綴り、


声はつむぎます

途切れ、そのものを




針の

ほそさが

染みわたるよう、


ひとは逆らい棲むのでしょう




澄みゆくやみの

鮮やかさ


もっともきれいなあざむきに


2008/02/08 (Fri)

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