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千波 一也の部屋


[883] 狼たち
詩人:千波 一也 [投票][編集]



終焉を

もてあそぶような三日月に

果実をおもう夜、


つめたさを傾いて

遠吠えがゆく



牙をおそれることの

その、狭義に背いてゆくなかで

切り立つ岩の寂しさに

みとれてしまう


刻一刻、






なだらかな平野には

触れられない視線の果ての

頂上が、


幾つも鋭く

嘆きのすべを失っている




拒絶を凪いだ難破船として

あまりに優しい集約は

草むらに、陰る


縛りつけられた内と外とに

見殺す爪をただ、

映えさせて




混ざりあうものたちの

聡明な双璧が、


純真と

息吹に砕かれ

蒼白になる




夢のはざまに濡れて匂いだす夜、

三日月たちが

燃えてゆく


瞳孔のなか、を

実直に


2008/02/18 (Mon)

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