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千波 一也の部屋


[888] 笑うお日様
詩人:千波 一也 [投票][編集]


春のおとずれは

やわらかい


ことばの身軽さと

陽気がとても

近くなる



鳥たちの鳴く声と

色とりどりに

咲く花と


寒さをかき消してゆく

波のかさなり

しろい音



声や

しぐさを

持たないお日様は

おだやかな暮らしに

降りそそぎ


それぞれの命を

それぞれに

喜ばせる



なにかにつけて急ぐときどきは

そのまま忘れていいのだろう


春のおとずれに

意味たちがやわらかく

目を覚ましはじめた



笑うお日様の

あかるさを

疑えばいい

まもるのもいい


いつか近しく

それをみつける季節まで

春は

いくつも

よみがえる



笑うお日様は

どこまでもあかるい

はかなくつよく

ときどきかなしく


2008/06/11 (Wed)

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