不自由は
ひとつの自由の答えだろうか
迷いと混ざり
散りゆくひかりを
なつかしく嗅ぎ
瞳をほそめる
夏の滲みの
あふれるかたわら
両手にかぜを伝わらせ
海から
距離をおそわる午後は
やさしさの満ちる
音がする
空高く
はばたく鳥への
あこがれも、そう
小さく
しずかに
透きとおって
波音たちは
くり返す
探すともなく
探していたのは
誰もが違う、という許し
変わることのない包まれ方で
ひとり言から
にごりを
除き
あした、また
誰かが答えをはなすだろう
ただそれだけは
確かにここへ
聞こえくる
淀みのはるか
かなたから
2008/07/05 (Sat)