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千波 一也の部屋


[925] 羽負い人
詩人:千波 一也 [投票][得票][編集]


沈んで

いかなければならない


そうして深く

呼吸にもがいて

戸惑わなければならない



夢と

そっくりなものたちは

やはり、夢以外の

なにものでもない


だから、

誰かの窓に

枠組みなどを

探してはいけない


そういうことを

探さなければならない



広く

傷ついて

あかるい癒しを

渡らなければならない


わかりやすさは

思いのほかに難しいのだ



生まれもった手のひらに

やさしい名前を

載せるため、


風を

風のつよさを

握らなければならない


頼りなさを

よりどころにせず

捨て置きも

せず


2008/09/25 (Thu)

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