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千波 一也の部屋


[936] なにもない夜に
詩人:千波 一也 [投票][得票][編集]


なにもない夜に

孤独はうまれない


たぶん、

そうでもしなければ

孤独になってしまう、と

ひとはあわてて

うむのだろう


負けじと

ひとり、闘うのだろう



なにもない夜に

なくせるものなどない


はじめから、

夜にかぎらず

はじめから、

てのなかにあるものは

てのなかへ渡そうとする

ことばの熱だ


かたちのないものを

あまりにもかたちにし過ぎて

ひとは自由をなくすのだろう


はじめから、

存在していないだろうものから

のがれるすべを

なくすのだろう



なにもない夜に

おぼれてしまえばきりがない


なにもないのだから、


おそらく、

必要不可欠なものとして

なにもないのだから、


ひとは

ひたすらみちを行く


なにもない夜に

なにもない夜を

動力として

2008/10/24 (Fri)

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