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千波 一也の部屋


[953] きれいなうろこ
詩人:千波 一也 [投票][得票][編集]


とうの昔に

ほろびていたのかも知れない


ほろびという言葉は





まっすぐに立ち上がること


それを叶えた

わずかなものたちのいどころを

陸とよぶ


だから

陸にうまれたことが

なにかを約束するわけでは

けっしてない





ゆうやけがすきだ


しかも

ときどき

こわくなるから

日をおうごとに嘘つきになる





あらためて

帰りたいところを尋ねられると

こたえに困ってしまう


うっすらと

みずの匂いにとけこんで





このまますなおに

古びていけるものだろうか


きれいな傷ばかりに

こがれていても





明日あたり

そらが降りつもりそうだ


すべての呼吸の海となるため

いちまい

いちまい

2008/12/03 (Wed)

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