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千波 一也の部屋


[977] 煮物
詩人:千波 一也 [投票][得票][編集]


煮物の味は

素朴であるけれど

素朴であるがゆえにこそ

むずかしくて

奥深い


ごらんなさい、

たけのこと

さといもと

しいたけと

なんの疑いもなく

一緒くた



わたしは

素朴に生きたいけれど

素朴に生きるということは

言葉でいうほど

たやすくない


あこがれも

とまどいも

いつわりも

どろどろになって

一緒くた



箸をほんのり湿らせる

やさしい光りに

煮物を嗅いで

わたしは

優しく

優しさをはむ



2009/07/28 (Tue)

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