詩人:千波 一也 | [投票][編集] |
いたって
凡才のわたくしは
奇麗なものにあこがれます。
そうして
ちょっぴり真似をして
けれどもちっとも似合わなくって
ちょっぴり奇麗を
憎んだり。
しかしながら
やはり凡才のわたくしなので
おんなじ気持ちを貫くことなど
できません。
いたって
かんたんに
次なる奇麗と出会うのです。
こりもせず
ちょっぴり真似をして
似合わずに終わって
ちょっぴり憎んで、
そして
わたくし
気がつきました。
奏でるよりも
聞き惚れていたいのです。
描くよりも
見とれていたいのです。
演じるよりも
魅入っていたいのです。
奇麗なものに
上手にひたれる凡才肌ですから
間違っても
奇麗なものと
おなじくなれるだなんて
思っちゃいけないのです。
それゆえに
奏でるよりも聞き惚れて
このまま気楽に生きてみます。
凡才らしく
背伸びを
適度に。