詩人:大示 | [投票][編集] |
底の見えない哀しみは
いつか歪んだ怒りに変わるの
歪むな、と押さえ付けても
じたばたと激しく暴れるの
こんな時は、静かに歌うの
誰の為でもなく
とうの昔に沈んでしまった
小さな私のために
深海で膝を抱く私に
届く様に
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過去が君を放さないなら
私も、この手を離さない
ずっと昔の失敗
秘密にしてしまえば
誰にも解らないのに
君は正直者だね
たどたどしい話し方
もどかしそうな君
でも私には伝わっている
古いカレンダー捲っても
昔の君には会えないから
私は今の君を見ているよ
がんばれなんて言わない
ただ生きていって欲しいんだ
過去が君を放さないなら
私も、この手を離さない
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熱い地面をクチバシでつつき
枯れた草を大事そうに持っていく
風が少し強いけれど
小さい羽音を響かせて
君は飛ぶ
よたよた
ぱたぱた
暑い中、ご苦労様です
詩人:大示 | [投票][編集] |
思い思いの仮面を貼りつけ
素顔の見えない誰かの手をとる
それぞれが理想の自分を作り上げ
ひとときの夢を踊るのだ
私は
醜い素顔を『笑顔』で隠し
ひとり
壁の花になる
詩人:大示 | [投票][編集] |
僕は、いつも閉店間際
近寄る人を閉め出して
暗い場所でカチリと鍵をする
僕は、いつも閉店間際
滑り込んで入って来て
挟まれたのは
君
そこまで必死になったのは
僕の為ですか
詩人:大示 | [投票][編集] |
過去を生きていた私は
今ようやく現実を
歩き出そうとしている
はじめの一歩は
随分と情けなかったけれど
このまま歩き続けよう
例え一進一退の日々でも
今を生きれないなら
未来など夢幻だから
詩人:大示 | [投票][編集] |
僕の記憶は虫食いだらけ
大切な記憶がたくさん抜けている
やっと備わった喜怒哀楽
だけど子供の様な喜怒哀楽
今まで生きていて
記憶が虫食いだらけなんて
哀しいけれど
取り替えることも
棄てることも
僕には、できないんだ