詩人:大示 | [投票][編集] |
昔々、一生懸命
穴を掘って埋めた物がありました
そして今
穴の深さぐらいにまで
落ち込んで
埋めた物と再会しました
あの頃は
たまらなく嫌な物だったはず
だけれど
今は何故だか笑えてきました
少しは成長したのかな
そんな事もあったと
笑えるぐらいに
強くなったかな
昔々、埋めた物は
揺るがない足場に
変わろうとしています
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殻を担いで
ゆるゆる行くカタツムリ
君の様に大事なものを
担いで行けるなら
私は安心できるだろうか
カタツムリ
哀しいけれど
人はカラを担いで行くしかない
何の重みも無い肩に
不安を感じながら
空を担いで行くしかない
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しっぽを掴まれたネズミ
一生懸命走って
同じ場所をぐるぐる
同じ景色がぐるぐる
たまに聞こえる
敵の鳴き声に
身をすくませながら
ぐるぐる
ぐるぐる
しっぽを掴んだ相手に噛み付くか
それとも
しっぽを噛みちぎるのか
いつ
ネズミは窮鼠となるのだろうか
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ゆらゆら
振り子の様に揺れている
他人から見て
世間から見て
正しい方に少し揺れ
他人から見て
世間から見て
拒絶される方に少し揺れ
ゆらゆら
ゆらゆら
ぱちん
鋏で糸をちょんぎった
飛んでいった
飛んでいった
どちらにふりきれた?
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仮面を被った虹色ピエロ
道の真ん中に立っていた
いろんな色の服を着て
私をずっと見つめてる
仮面を被った虹色ピエロ
1メートル先に立っている
色とりどりの風船持って
私をずっと見つめてる
『君には、この色だ』
くれたのは
大嫌いな赤い色
押し付けられたのは
大嫌いな赤い色
あなたは、ずるい
虹色ピエロ
あなたは、ずるい
神様
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思い出せないものは
何だろうか
必要だったものは
何だったのだろうか
いつもそばにいてくれたのは
誰だったのだろうか
それを手放した私は
愚かだったのだろう
星が好きだった君よ
もしも私が
かつての英雄達のように
夜空に輝けば
見上げてくれないか
君の為に
星を降らそう
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扉の向こう
やって来る
音を立てて
やって来る
幾重にも
厳重に
鍵をかけた
あの
扉から
カタカタカタカタカタカタカタ
隙間から覗いたのは
狂暴な狂暴な
だれかさん
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彼は寂しかったのだろう
彼自身は、それに気付いては
いなかった
そして
私も気付いていなかったのだ
たった独りで太陽を見て
たった独りで月を見る
そこには
『おはよう』も
『おやすみ』も
無い
たった一つの言葉に
どれほど癒されるか
知らなすぎたのだ
それが、あたりまえだった
彼の寂しく冷たい常識は
何年、何十年経とうとも
私が責任を持って
崩そう
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忘れやすく
そして飽きやすい僕の心に
いつまでも残る花びらのふぶき
二度と忘れない
だから
ふぶきで隠したあの娘の顔を
思い出させてくれないか
笑っていたのか
泣いていたのか
どうしても知りたいんだ