詩人:大示 | [投票][編集] |
幾度も重ねた夢の中
懐かしい人達に出会ったけれど
もう二度と会えないことを
僕は知っている
夢は幻
いくつ重ねても
真実には届かない
わかっているのに
僕の夢は変わらない
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あの子が作った虹色の玉
ぱちん、と
弾けたその瞬間
魔法が世界に広がった
先を急ぐ若者は足を止め
下を向いて歩いていた子は
空を仰いで微笑んだ
夕日は
いつもより美しく煌めく
朱く光る泡沫は
心の中で
ずっと漂い続ける
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ねぇ
人より上手くやろうとするのは
そんなに大切なこと?
他のすべてを蹴っ飛ばして
裕福になるのは
そんなに大事なこと?
高みに手を伸ばすまえに
足元を
自分自身をよく見て
何が失われつつあるのか
きっと、わかるから
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嘘を八百回並べて
何かを必死で隠す君
遠ざかって行く人々
霞んで行く君の心
そうまでして
一体何を守っているの
嘘の鎧は知らないうちに
君の体と心に染み込んでいくよ
僕は本当の君を一度も見ていない
そして
君も
本当の僕を知らない
詩人:大示 | [投票][編集] |
君がいない歴史が刻まれていく
どんなところにも
きみの欠片が転がっているのに
時間が水のように流れていく
僕だけ置いてきぼりにして
緩やかな流れなら
逆らえるかも知れない
でも結局
僕にできることは
左手にあった温もりを
思い出しながら
今を歩くことだけ
今日も、また
君がいない歴史が刻まれていく
もう二度と
君と僕の時は重ならない
詩人:大示 | [投票][編集] |
星は、いつ流れるの?
遠吠えが夜空に届く時
みんなが寝静まった後
それとも
誰かの哀しみが満ちた時
星は、どこへ流れるの?
遠い山のむこうがわ
大きな海の奥深く
それとも
ひっそり佇む誰かの元へ
詩人:大示 | [投票][編集] |
気づけない
見つからない
探せない
それでも、どこからか届く愛
それは何の見返りも求めず
ただ
優しく静かに手の届かない場所で
笑っている
生きていて、いいんだ
誰かに、ことわることなく
生きていて、いいんだ
認められる喜びは
誰かと交わす愛となって
いつまでも輝き巡っていく
愛は、いつもそこにあるよ
当たり前のように
奇跡のように
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お互いの幼さ押し隠し
静かな時間に染み込んで
いくつもの愛しさを
夢うつつの指先にゆだねる
誰かを抱きしめる大切さは
我が儘な若者にも、わかっている
真夜中に舞う幻のような
不確かな二人
真実の幸せは
柔らかく優しく焼きついた