ホーム > 詩人の部屋 > 大示の部屋 > 灯火

大示の部屋


[183] 灯火
詩人:大示 [投票][編集]


暗闇は勝手に忍び込むのに

光は此方から探さなければ
手に入らない

また、その光が
蝋燭の灯り規模ときた

風が吹いたら一筋の煙を残し
消えそうなそれは

手にすれば
ゆっくりと歩かなければならない


ある賢者は旅人に諭した


その光は良心だ
周りに合わせ歩を速めれば
瞬く間に漆黒の世界に
浸食されるだろう


ともに歩む友人を探しなさい
なに、すぐ解る

迷いながらおぼつかない足取りで
歩いている者が蝋燭を持っている

たくさんの蝋燭は
聖火をも凌ぐ輝きとなるだろう


灯火を消してしまった者も
いずれ気付き、聖火を抱くのだ


2009/02/03 (Tue)

前頁] [大示の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -