鋭い三日月は僕の白い胸に刺さり赤い満月へと生まれ変わる狂を孕んだ母胎は戸惑うこと無く禍を産み落とし僕の手に抱かせた鋭利な鎌が、この空虚な心に宿り時折、チクリとつつく合図なのか、警告なのかそれはまるで何かの催促のようで臆病者の僕は、大いに戦慄した
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