詩人:桃汰 | [投票][編集] |
思った程甘くなかった
ショートケーキを
思った程甘くなかった
現実に重ね
涙流すまでもなく
流された時間に
胸を焦がすことも
笑うことも
怒ることすらできず
なんの為に生きるか
空になった己に聞いても
返る答えは同じで
満ちては引いて
繰り返すもんだから
今は引きどきなんだろう
乗り越えれるなら
また満ちてゆくから
生きていて
いやに胸に刺さる
言葉だけ残す
空だと思ってた
己にも容器(うつわ)がある
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梅雨の晴れ間の水溜まりが
綺麗だったとか
おにぎりを食べた後のアルミホイルが
キラキラしてたとか
そんなありふれた
普通のなかに
ちっちゃい輝き
いっぱい見つけれたらいいな
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流れる車を止めたのは
ボクでもなく
キミでもなく
まぎれもなく
信号なんだけど
ボクは都合のいいように解釈して
ああ、
車がボクらに道をあけてくれたんだ
なんて思って
キミの手を強く握りしめて
いつもより眩しい
白いシマシマを歩くんだ
詩人:桃汰 | [投票][編集] |
平穏でいることを
幸せとわかっている
でも願ってる幸せは
平穏じゃないんだ
泣かせない、泣かないことが
幸せとは限らない
水みたいに
変幻自在で
水みたいに
不安定で
平穏でいることを
幸せとわかっている
いつまでも平穏を
でも違う、
願うのは
もっと大きなものだったんだ
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遠くに聞こえるクラクション
ふたり乗りの自転車
赤信号
後ろから二番目、左側の
特等席から
シュールな世界を
早送り
赤信号につかまって
停止した世界で
スロー再生したように
ひとりだけ
青信号に変わるまでの間
少し長めの襟足
一緒に買ったTシャツ
次のバス停で降りたら
好きな笑顔で
迎えてくれんだ