ホーム > 詩人の部屋 > 山羊の部屋 > 霞桜

山羊の部屋


[32] 霞桜
詩人:山羊 [投票][編集]

桜に惑わされて
ふらりと眩惑を覚えれば私の心は桜と共に
風に飛ばされ・・
君がいた
あの頃へ

手鏡を仕舞う仕草
後ろ姿
鮮やかに君が蘇る

4月の倦怠感に流され
辿り着いた桜の下
何が二人を変えたのか

戸惑う顔は
今でも覚えている
桜がゆっくりと舞った

もういいよって
君が桜木の影から出てきそうで
目を凝らして見るけれどただ桜に惑わされて
動けないまま

喧騒の中
散りゆく桜
人と肩がぶつかり
目が覚めて

下向いて歩く私に
桜が空へと舞った

もういいよって
声が聞こえた気がした

2007/04/05 (Thu)

前頁] [山羊の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -