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箕喪 木陰の部屋


[10] すべてをさらけだして
詩人:箕喪 木陰 [投票][編集]

指でそっと触れた傷口に
塩を塗るように言葉が染み込んでゆく


涙を拭うことさえできずに
私はここで立ちつくしていた


過去への扉に鍵を閉めて
残っている思い出は影になって


誰も知らない世界へと
入ってはいけない暗い扉を開く


だた癒される場所を
必死になって探していたんだ


それでも癒されるはずの傷は深く
心に残った傷も捨てきれないまま


残されたのはぼろぼろの体と心

    


曖昧なこころでいったって
気持ち悪いだけだから
捨ててしまえ

    
いらない心を全部捨てて
本当の気持ちをさらけだしたい


偽りなんていらない
本当を知りたい


きみは 君で
わたしは 私で


比べたって
そこに秘めているものは


誰にも分からない


言葉だけが残酷の牙を
持っているわけではない


でもせめて
傷つけるだけの言葉じゃなくて


優しい温かい言葉を


さらけだせる場所を


隠すだけの傷じゃなくて


温かい心を

2007/01/26 (Fri)

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