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箕喪 木陰の部屋


[25] 存在理由を捜す者
詩人:箕喪 木陰 [投票][得票][編集]


                  
昨日見た夢で君は呟いた

                  
星空を見上げては
頬をぬらして

                 
「なぜ私はここにいるの」と

                  
居場所を探して
彷徨う毎日に

疲れ果てた体は
追いつけない
 
                  
戸惑いながらも
を伸ばした先にあるものは

                  
いつだって幻のように消えていった

                
それでも諦めない君は
ずっと僕より強かったけど

皆に見せる作り笑顔が
誰よりも上手くて

目を離せない君は
気づいていないようだけど


その瞳は君の心を語ってる

                  
隠せるモノは
空に浮かぶ星の数より少ない

真実を映す鏡を見たモノは
指の数より少ない


出口を探して
走り回る毎日に

焦り始める心に
問いただす時間もない


駆け回る道も
迷いくる迷路も

だんだんと薄れては
何もなかったように


残像すら残らない


何もかもが
夢であればいいのにと

君は最後に言葉を濁した



今日見た夢で
君は呟いた

街中を見渡しては
手を紅く染めて


「なぜ私はここにいるの」と


抑えきれない想いに
ついて行けない体

目的を捜そうとも
その為の足がない


もう耐えきれないと
弱さに埋もれた君が嘆く


「なぜ私はここにいるの」


その理由は誰も知らない


2007/06/10 (Sun)

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