詩人:旅人モドキ(左利き) | [投票][編集] |
ゆらぐコモレビ照り映える
ほんのトビラを開けると ナニカを忘れたむらに紛れ込む
すずしい人びとが穏やかに暮らし それぞれの独自性を貫く
ドナリゴエも ナキゴエも ワライゴエも
そこには存在せず
カレラはむだに奪ったり 欲張ったりしない
同じだとか違うだとか どうでもいい事らしくて
いつもホガラカなのに すずしげに振る舞う 冠婚葬祭とかのアツマリは一切なし
ふかい関わりを避ける
きみはミズカラの暑苦しさが 胸にせまり
みんなエソラゴトだと騒ぎ立てるが 決してメイワクがらず
のどかに生きる 足りないはずのカレラだけど そのすずしさが心地よい
イザコザの元なんて
失ってみたいよ ぼやきつつ近寄ってみたなら
なぜかインクの香りをかぐ 気付けばきみをつつむクラヤミ
ねぼけマナコをこすって 見返しめくれば ナガレボシふりやまぬ雑木林
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まどろみたいのだから
よいのくちでまるごとくらいつき
ぶちまけたいのだから ありえないっておもうことはたいていある
のっかりたいのだから ことばあそびなのかもね
ありがたいのだから もうけがきりあげたいのだから
こころぐるしくけだるいあさでも
かえってみたいのだから
からっぽのうつわへかけながすしみずをみきわめて
いたいのだから いいたいのだから うたいたいのだから
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おれの心で 巣くうめざとい渡り鳥
たわわに実る巨樹へと 飛び立つならば
うつろな穴をやがて 苦悩が埋めるのか
そして歴史はぬけがらを残す
逃したはずの輝き いまさら訪れるとは
ひきつった笑顔でも 張りつめた感情は和むだろうか
三つの針が重なるころ
肌をかわかす流れに身をゆるめ 待っている
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はだみ離さず持ちあるきたい
煮つまった策のあれこれ
書きかけの日記帳
むらがる句では濡らせない
不意のやさしさ嵩ばるものか
奏でるはきみの口笛
席を蹴りせめぎ合う
ふき飛ばすほど恋い焦がれ
心密かにもみじを散らす
どしゃ降りに打ちひしがれて
かみ締める無力さを
大河にさらし泳がせる
問わずがたりの向こう岸まで
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みんな悩みの処理に疲れ 慌てふためいてないか
じっくり焦らず憩うがいいさ
波うつリズムで寝転がり ぐうたらな様で食べまくる
休息に費やしても飽きたらず
とことんストレス解消を望むなら 笑いのひきだしに手を突っこめ
きみの保管するネタを拾うんだ
酒のさかなにして興じたら こっそり地下室へ返しておくよ
何度も腹を抱えるほどおかしくて
たまに期待を裏切られても 快感がより味わい深く
まさかのトリックに目を丸くする
勢いづき凸凹道を駆け抜けちゃえ たどり着く展望台から
一途で根拠のない自信をばらまけ
きっと芸人魂がふりゃ愉快で 素人どうしで笑えるアイテムだろ
あそこの迷宮でオチをひねりだせ
幸せのお土産はリサイクル品で また思いだし笑いしちゃう
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路地を軽はずみに漂えば はじく石ころに踊らされ気絶
薫ずるのは鬱金 はたまた物怪どもの残り香 血潮にまみれて
おれに幽界の鬼を鎮めよと 幻聴を仄めかす風
おれは歩み寄れない 銃剣の狂い咲きで いかなる遊郭も色めく浮世
今しがた陶酔境は尽きて おもむろに醒めるが
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やるせない歩幅につき合うんだな 川岸をとぼとぼ伝い
零れた文句をきみがすくう うさ晴らしを遂げて
きみも相づちを胸にしまい 出しぬけに語る
翌朝ここを発つよと つれ去るピリオドの夕まぐれ
あれから半年は 面接の海でもがいてる
別れの橋で足を留め ともに戯れたなごりを雨空へ放つ
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ひんやりなでる かぜのたよりがとどくさき
ふくれっつらのポケットで
るんるんこころはそらはるか はずかしそうにほおそめてさ
ほしくずドロップのなぞならね
ひだまりでもとけない りんりんたかなるすずのねが
スキップしたらはずむよ
かなたへおもいをつきぬけ ぶんぶんとばすうちゅうせん
たんさロボットをうちにひめ
おくりとどけてこはるびより のんびりゆこう
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あらん限りの大声もむな騒ぎ 手さぐりがきみへと至る
ほざいた残響でおれは苦しむのに 笑い泣きをとおり越しては絶叫
まじわろう
ぶっきらぼうに振りかざす 怒りはゆき場を見うしない
おれは決意せざるを得なかった 憎しみの連鎖を断ち切り
たびだとう
らせん階段へと迷っても 駆けのぼれば期待を超えた壮観
ずっときみは屋上に立ちつくして 息をのむ風景やひとり占めの感涙
かきむしる様に抱いてくれ 共存こそふたりを包む渦潮だから
ありがとう
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青の囁きどおり
やすらぎの並木がそびえる
きっと寒さがサボって麗らか
芽がいっせいに日向ぼっこ
しらけたココロを解きほぐす
おや石畳に舞う枯れ葉さえ軽やか
緒の切れかけた下駄もきっと
わずかなチャンスを待ちわびる
なぜ歯ぎしりもせず静か
美の殿堂にもマンネリが忍びよる
はやりのカゼに熱発さ
せめて客の洞察はずっと健やか
香を求める人もいる
まるでスパイスを味わうみたい
それを売りさばく方こそ強か
朱に交わってごらん
そのタビに酔いしれて街が染まる
いつも歳末はどこかで賑やか
虹は曇りがちな希望
めざせば到達できずにマサカ
わかれよ清らか