詩人:旅人モドキ(左利き) | [投票][編集] |
虫や魚群や 島民さえも影を潜めるとき おれは岩窟で寝転がり肉に手をつけるんだ
椰子の葉そよぐ大地に包まれながら 焦げるほどの極暑で乾ききった昼だ
あの淀んだ水たまり 悲鳴をあげる葦原 荒れ果てた平野 澄みわたる青天のもとで食らう
袋をほどき骨までしゃぶるのは 旨みをたっぷり含んだ 期待どおりに血をたぎらせる活力の源
おれはこうして共同体から 落ちこぼれるんだ そのうちに島への光が閉ざされ 闇におおわれる
沈む心 底なし沼 舟と櫂 もしくは昼の花火だったり いくつもの集会所だったり
巨像の残骸は土にうずもれ 島が海からの波しぶきで 砂浜のあたりを潮でぬらされる
ただ精魂や 鳥の卵を獲る者が復活しようとも おれが思うに 食は究極の惑わしと言えよう
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