もしも記憶の海が有るのならばまっ暗闇に包まれる心の奥底にまで すっかり沈んで澱みにたまる唄の響きさえもやがて水面へと浮かび上がるのだろうあっと言う間に蒸発してゆけば やっぱり気圏までも逸脱する咄の作りでさえもいつか帚星となって現れ出るのだろう
[前頁] [旅人モドキ(左利き)の部屋] [次頁]