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旅人モドキ(左利き)の部屋


[153] #0153
詩人:旅人モドキ(左利き) [投票][得票][編集]

群れ集う星をそっと抱きすくめれば
遠ざかって行く微かな歌声に きみは耳を澄まして聴きほれる
冬の大三角が頭上でまたたくから
銀河の片隅に浮かべる小舟も揺られ きみの胸が高鳴る鼓動と酔いしれる
波の彼方でぼんやりと見える雲には
巣穴があって幾つもの卵を包み きみも知らない秘密まで封じ込める
宇宙に始まりや終わりなど無いんだ
膨らんでは縮まるのを繰り返して きみと同じく流浪の旅を続ける
転がりそうに旋回する風車に過ぎない
筋道を通している様な理論だけれど きみを縛り付ける疑念が惑わせる
問い掛ける意味とは何だろう
答えを探求してしまう心の不可解さに きみへ届く光と思考力がにらめっこする
究極に磨き抜かれた才能を駆使して
月が粉雪となって砕け散るかのごとき空と きみが明かす物語で夜更かしをする
徒労に感じるほどの時間を費やしっぱなし

2012/01/14 (Sat)

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