詩人:旅人モドキ(左利き) | [投票][編集] |
とある建物の最上階にきみは巣くう
すぐ下の階には年配のカップルがいて 後から入ってきたくせに我がもの顔で
こっちが居候している気分になって
ふざけんなって言いたいのを抑えて 心など読みきると言葉の刃で突き刺す
どうやら効果を及ぼしたと思われ
いちいち口うるさいノイズが除去され 宿の主へ向けた毒舌もひっこ抜かれ
ひとまず居心地は持ち直したと感じる
きみは目と鼻の先で続く工事を見つめ 潮時が近いのではと考えはじめ
これからの進路について答えを求め
ただピンチから脱却すると集中力も高め 巧妙なる網の目を瞬時にかいくぐる
とりあえず面白い方向へ駆け抜け
いかなる荒波や渦がきみをさまたげ 行く手に立ちはだかったって騒げ
がむしゃらに舟をこぎ新大陸に着け
すかさずチャンスを捕まえに行け 夢想ごと膨らませて夜へ飛び乗って
きみは明日へ続く道を踏みしめる
[前頁] [旅人モドキ(左利き)の部屋] [次頁]
- 詩人の部屋 -