詩人:旅人モドキ(左利き) | [投票][編集] |
高原に吹く風を 追う昆虫の行方 そっと見渡す空
かき曇る天がなぶる色の残骸よ
薫る月桂樹の葉 照り返す陽射し
竜涎香わななき酢酸に蕩けては きな臭い瓦斯にむせながら伏す
ふもと彩る花は 藪に咲いた野茨 春まっ盛りの証
わめき声で夢魔を逃れる覚醒か
りんと立つ志を 胸に宿す深呼吸
嗚咽こらえつつ息を押し殺せば なかば神経は痺れ心身むしばむ
飛び翔る雲雀が ずっと上で踊る 鮮やかさの競演
のたうち悶えた幻は酒精に因る
旅は続くならば うんと地平線の 草陰も越えた先 手探りの海淵へ
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