現代を嗅ぎわける鼻は吹きすさぶ寒風すらも 物ともせず探り当てるおれを狂わせる鈍痛が毒蛇の如く襲いかかり お顔は蒼白に染まれば息を殺して侵入される記憶から薄れゆく傷が 癒えるまで膿を除去しおれの空っぽな脳髄を拡散した匂いで埋める おごれる妖魔が被せたお耳の裏まで覆う仮面
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