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喋る狼の部屋


[2] 夜道
詩人:喋る狼 [投票][得票][編集]

夜道を歩き疲れても
見上げる月は近づかない
氷点下香る甘い冷気も
血の溜め池より温かい
終末思想に愛想尽かした
人形のように笑う水鏡
映る影には棘の首枷
肩に担いだ咎の形は
月の背負った光に似ている
およそ異なる双つの十字を
重ね合わせる衝動さえも
過ちなりと仰せでしょうか
抜けてはならない雲の檻
数限りない業を積み上げ
天に向かって近付くことを
貴女は許してくれるでしょうか
一人月を眺めつつ
白い寂しさ心に吹きかけ
歩き続けるべきなのですか

2013/02/28 (Thu)

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