永久凍土に咲く桜
枯れることのない桜
詩人一人ふらり来て
告げる言葉は希望の歌
桜はただただ首を振り
さにあらずとだけ言い放ち
旅人一人ぶらり来て
呟く言葉は恋人の歌
桜はひたすら俯き続け
またさにあらずと言い続け
凡人一人そろり来て
語る言葉は理の歌
桜は地面に崩れ込み
さようさようと泣きじゃくる
実りなく花散らすべきか
どうして咲いた桜の花よ
散らずに残るはさも常世の花
いつかは忘れて仕舞うのだろうか
人は誰しも別れゆく春
まだうら若く青き日の夢
記憶の彼方に咲いたまま
凍りついた幻の花
2013/03/04 (Mon)