ホーム > 詩人の部屋 > 喋る狼の部屋 > Amaranth

喋る狼の部屋


[4] Amaranth
詩人:喋る狼 [投票][得票][編集]

永久凍土に咲く桜
枯れることのない桜
詩人一人ふらり来て
告げる言葉は希望の歌
桜はただただ首を振り
さにあらずとだけ言い放ち
旅人一人ぶらり来て
呟く言葉は恋人の歌
桜はひたすら俯き続け
またさにあらずと言い続け
凡人一人そろり来て
語る言葉は理の歌
桜は地面に崩れ込み
さようさようと泣きじゃくる
実りなく花散らすべきか
どうして咲いた桜の花よ
散らずに残るはさも常世の花
いつかは忘れて仕舞うのだろうか
人は誰しも別れゆく春
まだうら若く青き日の夢
記憶の彼方に咲いたまま
凍りついた幻の花

2013/03/04 (Mon)

前頁] [喋る狼の部屋] [次頁]

- 詩人の部屋 -