赤く燃え落つる日はまるで己を写したかのやうにぢりぢりと焦がすやうに沈んでゆく最早我が身に残るものは在らずただ 貴女への想ひが募り何時しかそれは祈りへと変わった温ひ布団の中から夕日を見上げ羨望に満ちた眼を眇る嗚呼 出来ることならばわたくしもあの夕日のやうに鮮やかに果てたゐものだけれど人の夢は儚くわたくしは緩慢に横へ躬を倒す存へた命を自ら嘲りながら再び浅き夢を垣間視る
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