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ワタナーの部屋


[441] 蟻 その7
詩人:ワタナー [投票][編集]

ある昼下がり
縁側で日向ぼっこ
膝の上に違和感を感じた

一匹の蟻が
俺の膝の上に迷い込んだ

仲間とはぐれて慌てているのか
俺が怖くてパニクっているのか

俺の膝の上で
あっちへ行ったり
こっちへ行ったり

ここはどこだろう?
僕はこれからどうなるのだろう?

そんな気持ちなのかもしれない

自分なんかじゃどうしようもない
とても大きな力に
生死を握られるなんて想像できない

きっと恐怖を通り越して何も考えられないだろうな

俺の膝の上にいるのが俺だったら

きっと泣いてる

そう思って
蟻は殺さずそっと地面に帰してやる

自己満足かもしれないが

ただ
自分がそうしてやるだけで
その蟻が幸せになれるのなら

俺は良かったと思える

特に感謝もしてないだろうがね

2007/03/10 (Sat)

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