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樹厘の部屋


[11] あの日の雨
詩人:樹厘 [投票][得票][編集]

雨の日の午後 一人公園のベンチに座ってた
涙堪えて 下を向いた
誰にも聞こえないように
「何もいらない」呟いた
そんな僕に後ろから声を掛けてくれた君
「全てを失くして気が済むなら どうしてあなたはここにいるの?」

今なら答えられる
「本当は温もりが欲しかったから」
あの日 振り向き見えた背中は遠ざかる
たった一言だけど きっかけをくれた君の「言葉(温もり)」
今欲しいのは 君と向かい合って話せる時間
きっと二度と会えないだろう
一番欲しかった温もりは
あの日に手に入ったから

2007/05/30 (Wed)

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