詩人:おかだまい | [投票][編集] |
一人きり
取り残された
部屋で
小さく
彼女の世界が
広がっていく
壁一面に張られた写真は
寂しげに輝く
誰にも届かないウタを
書き続けて
チューニングの狂ったギターで
毎日歌う
星のメロディー
カビの生えた食パンも
期限切れのミルクも
彼女は気付かないまま
的を外したダーツの矢は
大好きなシドの目玉に
刺さったままだけど
そんなこと
もう構わない
あとはただ
生きていくだけ
終わる時まで
ただ生きるだけ
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悲しくもないないのに
流れる涙
欲しくもないのに
湧き上がる苛立ち
目に入った煙草の煙
マスカラを落とした
夢は置き去りにしたはずなのに
忘れさせてはくれない
幸せは
ひとつじゃ足りない
今日が
やっと
終わったとたんに
明日が
始まって
昨日片付けたはずの部屋は
もう散らかっていて
ごみ箱が溢れかえる
だけどいつかは
全てが終わるときが
来るのだろう
今度は嫌でも
終わらせなきゃいけないときが
来るのだろう
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森の奥で暮す
ブルースが好きな
あの娘
オレンジの小鳥と
二人きり
二人きりの世界
サッカー中継
そろって応援しているよ
バモス トーキョー!!
おそろいのテネシーローズ
おそろいの8ビート
森にはいつでも
ハードボイルドな風が吹いて
二人はカラカラになる
さぁ
そろそろ明日が始まる
今日が
終わる
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チョコのついた
ビスケットを
食べ過ぎて
気持ち悪くなった
そしたらキムチが食べたくなって
コンビニに買いに行った
そこで新しいビールを見つけて
大人買いした
家に帰って
キムチをつまみに
ビールを飲んだ
ミスマッチだ
結局
ビールだけを
朝まで飲み続けた
朝日を見てたら
なんだか
眠たくなってきて
一週間ぶりの
眠りについた
一人ぼっちでも
眠れるんだね
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なくしものを探して
彷徨った
気づいたら
何をなくしたのか
わからなくなってた
来た道順も
忘れていた
あたしは結局
全てをなくして
なすすべもなく
立ち止まり
からっぽの自分の中に
たくさん
たくさん
降ってきた雨を
注ぎ込んだんだ
冷たいしずくで
満たされたあたしの体
さぁ
最初の一歩を
踏み出せ
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見上げた空に
星はなくても
僕はここで
キミと生きていくって
決めたんだよ
キミの事泣かせてばかりで
不安にさせてばかりで
約束はいつも
果たせなかった
「ごめん」の一言さえ
忘れていた
やり直しはきかないけど
諦めないでいてくれたキミに
今なら言える気がするんだ
ただ「いつもありがとう」って
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離れ離れになった愛を
繋げ続けた週に一度の手紙
愛しているとは
一度も
伝えあったことはないけれど
一度も愛を
感じない日はなかったよ
キミの笑顔が見れなくても
キミの声が聞こえなくても
キミに触れられなくても
ただキミという存在と
毎週届くキミからの手紙で
僕の想いは満たされてた
特に変わり映えのない毎日を綴った
キミの綺麗な文字も
僕を満たしてくれた
本当に
本当に
愛してる
いつかまた会える日が来たら
おもいっきり抱きしめて
キミに伝えたい
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酔ったふり
レモンで割ったウォッカ
好きだったよ
最後に見せた涙
高く
宇宙まで
まい上がった
ぼやけた青空通りこして
キミが見てた
レンズの先に
住み着いた魚
レモン色した
小さな魚。。。
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あたしここで生まれたの
指さす先にはどす黒い海
魚はいないの
って得意げに
話す様子はまるで子供
夏でも履くキミのマーチンブーツ
いつでもピカピカ黒く光る
白い肩には
マリアとうなだれたヒマワリが
風に踊ってた
愛を知らない
それでもキミは楽しげに
夢を持たない
それでもキミは誇らしげに
唄歌う姿
キレイだったよ
悲しみは
生まれなければ
喜びも
知らずに生きていく
愛の唄うたえば
キミは笑顔で
ラブ&ピース
叫ぶのさ
それは名前もない国
キミの世界
それだけで
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冷たい雨が
雪にかわって
真っ白に染まった世界
冷え性なキミは
完全防備でやってくる
ダルマみたいに膨れて
やってくる
部屋をあたたかくしておくよ
キミの大好きなミルクティー
作っておくよ
キミの冷えた体
僕がすぐに暖めてあげるから
気をつけておいで