…たった一言…言いたくて…面と向かって言うには、私には勇気が無くて…貴方と繋がっている受話器を一端握り返した私は、一つ深呼吸をして…カスレそうな声で『スキだよ』と勇気を出して呟いた。貴方は少し経ってから、ちょっと笑いながら答えてくれた。『知ってる。俺もお前がスキだから』テレた二人の笑い声。これが私と貴方の記念日一日目。
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