詩人:saixai | [投票][編集] |
やさしい人がいたら
その人に
やさしくしたくなる
素直な人がいたら
その人に
素直に応えたくなる
やさしさの呼応
素敵な呼応
意地悪な人がいたら
その人に
まっすぐ向きあうのは
癪じゃない?
思いやりを感じれば
それに応えたくなる
好ましくない感情には
素直になりたくなくなる
お返しをしたくなる?
それもあるけど
それだけじゃない
やさしい人と接したときの
あの感情を
味わいたいから
自分の心が豊かでありたいから
すべては
ある種の自己満足
期待するなら
押し付けがましいエゴだから
他人には求めない
すべては
自分が快くあるために
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誰しもが
モトの鞘に
納まるもの
ならば
私は刃か
それとも鞘か
反りが合わない
奴は要らない?
私は鞘か
いかに鋭き刃とて
見事に
納めてみせようぞ
私は刃か
覚悟の剣に
鞘は要らぬと
言いそうだ
否
やはり
一組の鞘と刃を
見つけて
それが
一つの魂を宿す
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きれいに葉を落として
幹と枝が冬の空に映えた
少し物淋しくて
冷たい空気もよく似合う
一夜のうちに
降り積もった雪
桜の樹が
雪の衣をまとっている
雪の花が咲いている
思い出す桜の花びら
キミと見た夜桜
また一緒に見れたらいいな…
そんな淡い期待も
もう叶わない
何度も思い出すのは
キミの最期の姿も見れなくて
今や
キミが実在しないなんて事を
忘れてしまいそうだよ
「次の春には
一緒にお花見しようよ」
もうすぐ季節が二巡する
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見上げた空に浮かぶ雲は
二度と同じ形になることなく
風に乗って流れ行く
奇跡的な光景も
一瞬の夢のように
霧の如く散って消え行く
大きな溜息ひとつ
吐き出した瞬間
風が浚って過ぎ行く
迷いにまかせ
覚悟もなく過せば
中途半端
世間の流れに
追い立てられた?
違うね
覚悟のないまま
二度と戻らぬ時間を
過しただけさ
言い訳がましい
責任転嫁な発想は
止してくれよ
選択肢の多さに
迷いのまま決断せず
ひとつの覚悟も持たなかっただけ
当然の結果を実演したようなもの
わかってたことさ
そういう時間も
過してみたかったのかもしれない
今は大きな岐路に立って
そろそろ覚悟を決めようかって
思いたくなった
何かをしたくなる年頃
そういう時期を迎えて
新しい風を感じる
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美しい若葉色の羽根を持ち
美しい唄声を響かせる
春の小鳥
でもね
生まれたときは
唄がとても下手なんだよ
冬の終に生まれた小鳥
ケキョ ケキョ 鳴いて
一生懸命練習してるの
春本番に
美しい唄声を響かせる為に
何度も何度も失敗して
ようやく
ホォー ホケキョッ♪
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何もかもが
最初から
ごみだった
かもしれない
何もかもが
最初から
無意味なものだった
かもしれない
何もかもが
最初から
大切だった
かもしれない
何もかもが
最初から
ダイヤモンドの原石の様
かもしれない
遡った記憶の中で
思い当たる節なんて
幾らでもある
遡った記憶の中で
想像できる可能性なんて
幾らでもある
過去から見出す
未来を描くための道標
過去から見出す
今を生きるための道標
何もかもが
最初から
なんでもなかった
かもしれない
今 ここに
ごみが転がってるなら
それは
ごみにしてしまったに過ぎない
それって
本当に ごみですか?
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つめたい
こんなにも
つめたさをかんじる
それは
あたたかいということ
ぬくもりに
つつまれている
だから
つめたさがわかる
つめたい
ありがたい
なにもかも…
あぁ…
こんなにも
あたたかい
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…声…
それは魔法のように
何よりも響く
…声…
ただの言葉の連なりではなく
言葉にならないものまでも
響くもの
…声…
何かを伝えるために
発するものだけではなく
…声…
言霊で動かす
それは魔法のように
…声…
発することも
聴くことも
人の心に響くもの
…声…
喜怒哀楽の表現
心招くもの
…声…
人にとって
とても大切なものを
言葉ではなくても
教えてくれるもの
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なにもかもが
夢の中の出来事のように
すべては
風のように吹き抜けた
金色の丘に
揺れるヒマワリを
強く抱きしめた
幻
幻を本物にしたくて
吹き抜ける風をつかまえたくて
このまま
夢の世界に寄り掛かってないで
雲は掴めなくても
いつか風に乗ろう
いつか必ず新しい世界を描く
風を観察して
見極められる
その日に
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傷を負った羊
二度と同じ傷を負いたくなくて
脚が一歩もあの場所に向かおうとしない
けれど羊は
あの場所での日々を
毎日夢にまで見る
行かなければ‥という思い
それでも脚は動かない
バクよ
夢ではなく恐怖心を食べてくれないか
夢の方を現実にしたいんだ
なんて願いたくなるほどに