詩人:saixai | [投票][編集] |
静かに波打つ海
浜辺では穏やかな波を見せる海も
沖ではどんな姿だろう?
空は一面曇り空
濃淡のある灰色と白色の世界に
思わず筆を取りたくなる…
この風景を描きたい…
しかし
取る筆もない
写し取る技術なんて備えてもいない
ならば
脳裏に・・心に焼き付けよう
何よりも鮮明に
空を映す海は暗い
それでも波打ち際では透き通った姿
辺りは次第に薄暗くなっていく
太陽は見えずとも日暮れ
ぽつ ぽつ と
水平線に明かりが浮かぶ
漁火だ
闇が深まると共に漁火が増えていく
あっという間に
水平線は光の粒子で埋め尽くされる
「あれは韓国の街が見えてるんだよ」
とか
「あれは日韓連絡橋で道路の明かりなんだよ」
なんて嘘も信じてしまいそうになるほど
美しさに息を呑む
そんな風に
ロマンチックに見える漁火も
遥か沖では
漁師の戦場を照らす命の光