詩人:アルバトロス | [投票][編集] |
白いワイシャツは君の白い素肌に似合う
赤いトマトは君の赤く染まった頬のよう
鮮やかな色した向日葵が君に目を奪われた
太陽の光を反射しながら君はそこにいた
君は光を吸い込まない
君は全てを打ち消さない
君は闇を否定しない
君は太陽の光さえも君のものにする
君に僕は捕らわれる
君は僕の太陽になる
夏の蒸し暑い午後に君をひたすらにフォーカスした
向日葵が嫉妬するくらい
kikaku2012太陽
詩人:アルバトロス | [投票][編集] |
勝手に想像していたけれど
やっぱり思った通りだった
君の手は少しひんやりしていて
折れそうなくらい細い
自分の手の熱さが恥ずかしくなってくる
僕はそっと君の横顔を見た
君のひんやりした手のここちよさを
ずっと感じていたいと思った
手をつなぐと安心するね
かすれ声でそう言うと
君は何も言わずにうなずいた
幸せな気持ちが僕の全身から溢れだして
手を伝って君に流れていく
君からも同じように僕に流れてくる
kikaku2012手
詩人:アルバトロス | [投票][編集] |
落下する
きっと底がある
黙ってオチをつける
楽観してケチをつける
落下する
もっと下がある
笑ってオチをつける
楽観して耳をすます
落下する
ずっと下がある
怯えてオチをつける
楽観して縮こまる
落下する
きっと底がある
目を閉じてオチをつける
楽観して目を覚ます
まだまだ落下する
kikaku2012落下
詩人:アルバトロス | [投票][編集] |
あくまでイメージの話をしよう
僕は知らないうちに積んでいたんだ
不細工な石ころを選んで積み上げていた
この丸い地球上では
恐らくどこよりも水平だろうなって場所に立って
そこに見つけた小さな窪みに石を詰めたのが始まりだった
詰めた石の上に僕は石を器用に積んでいく
不細工な石ころだから今にも転げ落ちそうなんだけれど
なかなか落ちないもんだね、崩れないもんだね
しつこいなぁと思いながら無表情で無計画に
だけども丁寧に丁寧に崩さないように積む
目的は崩さないことでも崩すことでもない
そんなことは知っている
知っているからわからなくなる
昨日、不細工な石ころたちの塔は崩れた
誰も揺らさないのに風も吹かないのに
悔しい?
わかんない
でも散らばったそれを蹴っ飛ばしたくなったよ
僕は蹴っ飛ばさずに背を向けた
しばらく積みに来ないよ
詩人:アルバトロス | [投票][編集] |
途切れてしまったヒコーキ雲は
どこかの空に繋がっているのかな
いつの間にか忘れていた未来には
今からでも繋がるのかな
いつも何かを取り戻すために早足で歩くよ
無意味だと知っているけれど
すべてが一瞬だなんて悲しすぎるじゃない
そんなこと考えたくないんだ
一方通行にひたすら線を刻んでいく
流れに逆らったマイナスは消えていく
君と僕と引いた白線の
交差する場所を目印にして待ち合わせしよう
通りすぎないように目を見開いて
一瞬を思いっきり睨みながら歩いていく
僕は早足で歩いていく
詩人:アルバトロス | [投票][編集] |
奇跡なんてものはない
どこかでそんなことを聞いたことがある
多分そうなんだろう
僕は決まって君のことを考えている
うんざりするほど考えている
奇跡は信じる者に訪れる
どこかでそんな言葉を見たことがある
多分そうなんだろう
僕は決まって君のことを考えている
いつも呆れて笑ってしまう
奇跡なんてものは
奇跡なんてものはね
僕は旅をしたい
君と二人で目的のない旅をしたい
さあ行こうぜ
奇跡が終わってしまう前に
君よ
どうか笑ってくれ
僕のために
詩人:アルバトロス | [投票][編集] |
死ぬってなんだよ
今になってそんなことを考える
あいつはもういないのに
死ぬってなんだよ
呟くように聞いてみる?
もちろんどこからも返事はないだろう
悲しみが涙に変わり
そして胸にぽっかりと穴をあける
そっとずっと心の底に留まっていた涙が
あいた穴からつららのように絶え間なく溢れ落ちる
それは冷たく身体を麻痺させる
死ぬってなんだよ
今になってそんなことを考える
あいつはもういないのに
涙をふいて歩き出そう
また日常に流されよう
僕は今日も生きていこう
流されながらただ進もう
ふと立ち止まったときは
またここに来るよ
さようなら
さようなら
さようなら
詩人:アルバトロス | [投票][編集] |
明日のことはわからないよ
君はそう言って笑う
顔をくしゃっとさせて
目をきゅうっと細くして笑う
その顔が僕は好きだ
でも君が言うように
明日のことはわからない
明日も君のその笑顔が
僕の前に在るとは限らない
明日のことはわからない
でも一瞬一瞬を判断を誤らないように進むと
足がもつれて転んじゃう
君が顔をくしゃっとさせて笑っている
大好きな目がきゅうっと細くなる
嘘をつく暇もない
細工をする暇もない
君との時間を丸裸でもがくようにしながら泳ぐ
それはとてもここちよい
明日のことはわからないね
それは不安に包まれた小さな幸せ
大切に胸に抱え込む
詩人:アルバトロス | [投票][編集] |
君と過ごす時間よりも
君のことを考えてニヤニヤする時間が多い
そのアンバランスが良いのかもしれない
男なんてそういう生き物だ
男が目の前にないものを妄想して
そうして世界は成り立っているのだ
これは新発見だ
世の中の真理だ
ストーカーだと言われたら
それまでなんだけれどね
君のことが好き?
いいや君のことを考えるのが好き
詩人:アルバトロス | [投票][編集] |
恋はいつも泥だらけだ
ぬかるんだ地面を蹴りあげて
懸命に走ってみるけれど
スッ転んで膝を擦りむいて
前転して服が破けて
そこでスクッと立ち上がって
慌ててポーズを決めてみても
滑稽でしかないなぁ
滑稽としか言えないなぁ
コッケイケッコウコケコッコー
朝から今日も恋をする
コッケイケッコウモウケッコー
夜が更けても恋をする
やぶれかぶれの恋かぶれ
泥にまみれて君を想う