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アルバトロスの部屋


[293] 魔法のほうきとガラスの一片
詩人:アルバトロス [投票][得票][編集]

ほうきで掃いた
ゴミの中に
キラリと光る何かが見えた

それはガラスの一片
僕はしばらく見つめて
それからそぅっと
それをポケットに隠した

人の悲しみなんて
そんなものだ
君をなくした今日だから
夕日が迫る今だから

僕はポケットの中で
ガラスのギザギザに
触れながら
宙ぶらりんな希望を
抱いていた

僕は今日夢を見よう
魔法のほうきで
空を飛ぶ夢を見よう
ポケットにはもちろん
ガラスの一片を潜ませて

2008/10/03 (Fri)

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