ホーム > 詩人の部屋 > アルバトロスの部屋 > 空き空(仮)

アルバトロスの部屋


[374] 空き空(仮)
詩人:アルバトロス [投票][編集]

コンビニから出てきたら
夕日はもう沈んでいた
ヤンマガを少し立ち読みして
缶コーヒーを買っていただけなのに

空は高く、風は冷たい
すっかり秋になったな
肌が突然、風を感じて
僕は瞼を閉じた

何だか遠くに来てしまったな
予想してたより近いけれど
変化はあまりないのに
気がつけば夜になってるんだろうな


信号待ちで停車していると
帰りを急ぐ自転車の高校生たちが
僕を追い抜いていった

軽く握った拳を額に当てると
熱がある気がして
少しだけ瞼を閉じた

どれだけ遠くに行っても
今さら足掻いても
チャンスがあっても
何も変わりはしないな
「きっと」も「もしも」も
やるせなくなるだけ
瞼を閉じれば思い出してしまう

何だか遠くに来てしまったな
予想してたのと違うけれど
それでも今なら
上手くいくこともあるだろう
それはやるせなくならないだろう

2011/10/22 (Sat)

前頁] [アルバトロスの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -