詩人:理恵 | [投票][編集] |
生きていたい
あなたといたいから
死にたい
迷惑をかけてしまうから
これ以上
ここにいていいの?
いていいわけない
私だってそう思うから
H26.11.22
詩人:理恵 | [投票][編集] |
私の紡ぐ言葉は
宙をさまよった
きっと日本人らしい
表現だったの
時が経ち 廃れ 失った色は
もうあの彩りを 取り戻せない
それでも詩人でありたいと
未だ願う、私の心は
もう何も映しやしないのに
無理矢理ふれた自然に
意味はないのに
未だに、奥ゆかしく心を謡う
詩人でありたいと
願う私がいる
H26.11.22
詩人:理恵 | [投票][編集] |
コンコンコン、
だれかいますか?
竹は黙ってささらと揺れた
ト、ト、ト、
だれかいますか?
砂地は黙ってさすらと流れた
カンカンカン、
だれかいますか?
石は黙ってかちんと落ちた
コトコトコト、
だれかいますか?
岩はだんまり居座った
空は届かないから大きな声で
だれかいますか?
代わりに風がひょうおと歌った
パキパキパキ、
だれかいますか?
木は黙ってくすくす笑った
仕方ないからその幹に
そっと耳を押し当てた
ああ だれかいるな、
だれかいる。
H26.11.23
詩人:理恵 | [投票][編集] |
あれれ 君は冷たいね
あれれ 君はあったかい
こちらはふかふか しっとり地面
こちらはこつこつ かっちり地面
僕ら同じ砂なのに
どうしてこんなに違うんだろう?
それはきっと 僕らのせい
さんさん降る太陽と
木の葉たちが笑ってた
作者:砂 粒子
H26.11.22
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ぼくの心は、魔術師だ。
深い芯の底まで覆い尽くして
魔法をかける。
どろっとしたおどろおどろしいものが
黒い夜を見るたび渦巻いている。
生き物みたいなそれは
どんどんぼくを喰い荒らし
優しさに触れるたび
弱くなり
したたかさに触れるたび
脆くなり
卵の殻のような、儚いもので
守られた大事なものは
いとも簡単に呑み込まれてく。
ああ、止まらない。
わかっていたって止まらない。
もう、彼に逆らうことは
できない。
そうしてまたひとつ、もうひとつ、
なくしてく。
これ以上深い闇はないと
だから大丈夫だという確信は
あっさりと破れて
どんどん新たな深い闇を知っていく。
囚われた檻から逃げても
結局彼の屋敷の敷地内。
ぼくが、ぼくで、あるかぎり。
ぼくの心に住む魔術師は
ぼくだから。
H26.11.30
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心の呼吸はとっくに止まっているのに
心臓は鳴り続けているんだ
身体は魂の入れ物で
動く以外の機能はないのに
人情とか、思考とか
そんなものを求められても
応えられるはずないのに
ぼくは、身体を殺せない
臆病者だ
心を土に埋めることはできるのに
身体を海に投げることはできなくて
今が苦しいわけじゃないから
苦しいのは未来だから
どれだけ同情すべきモノがあったとしても
どれほどの誘因があったとしても
行動したのは、ぼくだから
もう、ただただ眠りたい
深い森の奥に
吸い込まれるように
H26.12.2
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かわせみは死んだ
きれいな川のほとりで
その水はきれいすぎて
かわせみには合わなかった
ときどき魚をつまみ食いしては
もっともっと知りたくて
けれども川は
それを許さなくて
流れはそのくちばしをとらえて
水底(みなそこ)へと引きずり込んだ
かわせみは死んでしまった
きっと川の神さまが
魚を食べたことに
怒ったの
かわせみは死んだ
滝の落ちる大きな池に
ぷかぷかと浮かんでた
きれいな川で死んでいた
かわせみは幸せだったのか
あこがれたきれいな水に
殺されたそれは
H26.12.5
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月は今夜も
泣いていた
飾らない言葉を
その胸に抱いて
愛されたかっただけで
愛されなかった結果は
あまりにも残酷だった
月は今夜も
涙を流す
たくさんの潮水を引き連れて
誰もいない海岸に
波を叩きつけて
受け止めてくれる
器もないまま
H26.12.15
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それはまみちゃんの大事なもの
黒くてふわふわなもの
いつもは水の底に沈んでるけど
見たいときは見れるもの
白い空気を纏ってて
触るとぐにょんと潰れるの
くりりとした目のようなものがついてるけど
目ではない
前足だけ生えたおたまじゃくしのようで
音楽家のかつらのような時もある
それはまみちゃんの大事なもの
まみちゃんはそれがないと眠れない
でもそれがあると起きられないから
目覚まし時計は5回鳴らす
まみちゃんはそれがないと落ち着かない
でもそれがあると寂しくなる
それはまみちゃんが唯一信じてるものだけど
それはまみちゃんを不安にさせる
まみちゃんの大事なものは
たぶん、一生のうちで
誰もが1度は出会うもの
そんな感じ。
H26.12.18
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雪、積もる。
なぜ冬は
こんなに冷たいのだろう。
きらびやかな街並みに
寂しさが募る。
なんて残酷な季節なのだろう。
私のイベントは
あなたのイベント。
幸せな関係と
偽るための――。
寂しさ、募る、雪。
銀色の世界の
悲しいきらめき。
H26.12.21