詩人:理恵 | [投票][編集] |
にんじんなんて嫌いだ!
ヒーローはにんじんを食べなかった
うさぎもにんじんを食べなかった
馬はにんじんを食べた
でも吐き出した
にんじんなんて嫌いだ!
オレンジ色の小鳥はプラスチックは食べるけど
にんじんは食べなかった
嫌いだ嫌いだ嫌いだ!
何が正しいとか
何が普通とかじゃなくて
にんじんなんて嫌いだ!
泣きわめいたのは
人間の子どもだった
母親はダメだと言って
にんじんを食べさせた
母親はその日
ナスを食べなかった
H27.2.23
詩人:理恵 | [投票][編集] |
この暗い部屋につまってる
無数の思い出たちを
水の泡にしてみせましょう
この島国の言葉を
この青い星の言葉を
私は忘れてしまったのです
気持ちを伝えるすべを忘れた私を
怒っていいのです
恨んでいいのです
許さないでいいのです
そして
忘れてください
存在しなかったことにしてください
これが、私の、最後の、こと、ば、
、 。
H27.3.2
詩人:理恵 | [投票][編集] |
彼はしゃぼん玉の中に住んでいる
いつもふわふわ浮かんでる
生まれたときから目の前には薄い虹がかかってて
身体はせっけん水に濡れていた
それが彼の日常だった
彼はいま指を指されてる
クラスの一番のガキ大将に
笑われている
彼はその理由がわからないから
なんだかふっと寂しくなった
H27.4.3
詩人:理恵 | [投票][編集] |
目の前を回ってる空白が
僕の未来を汚してる
少しかすっただけで
意図しない方向に向いて
僕はまた涙を流すんだ
誰も手を貸さなくていいから
もう眠らせて
いつか小説に書いた少女のように
希望も不安もない場所で
真っ黒に染まりたい
H27.4.16
詩人:理恵 | [投票][編集] |
輝くことができるなら
ほんの少し煌めけばいい
暗い闇に埋もれぬ程度に
私の存在(こと)がわかればいいの
輝くことができるなら
一番星でなくていい
一番星の隣で小さく
その瞬きを見てる方が好きだから
だけど寂しがりだから
私のことも見つけてね
もしも、
輝くことができるなら
H26.4.24
詩人:理恵 | [投票][編集] |
言葉に愛されたい
美しい言葉で話したい
だけど私の中に渦巻く感情は
怒り 悲しみ 劣等感
死ね
そんなものが
この感情が紡ぐ言葉たち
もっと言葉を愛して
優しい言葉に愛されたい
あなたの言葉に笑いたい
あの子の言葉に頷きたい
ああ、こんなにも言葉は溢れているのに
優しい言葉に 楽しい言葉に 嬉しい言葉に
足はすくんだまま
また、
夜はやって来る
H26.4.25
詩人:理恵 | [投票][編集] |
はらりと落ちた花びらが
川の上を滑ってく
後から落ちた花びらが
先に落ちた花びら追いこして
日ざしも暑いこの頃の
川面は桃色で賑わって
きっとあの海まで走るんだろと
見えなくなるまで見送った
H26.4.28