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理恵の部屋  〜 投稿順表示 〜


[92] これは詩ではない、詞である。H
詩人:理恵 [投票][編集]

こぼれては消えて行く
一瞬の言葉
上手く聞こえないよと
返した夜明け

いいの、と首を振りながら
飲み込んだの
白い息を吐きながら
代わりのように

流れ星が流れるのを
涙みたいと君が言う
もしそれが本当なら
涙の先に願いは叶うのかな

雑踏に埋もれてく
叫び声がある
誰も信じられずに
言えないままで

人それぞれと知りながら
わからないの
苦しみはずっと前から
重ねられてく

流れ星が流れるのを
傷みたいと君が言う
もしそれが本当なら
暗い記憶も輝いたりするかな

流れ星が流れるのを
涙みたいと君が言う
もしそれが本当なら
涙の先に願いは叶うの?

流れ星が流れたのは
昔のことと君は言った
でも君が消えた空を
今のことのように
見つめる僕がいるよ




H28.11.28

2016/12/23 (Fri)

[93] フランス人形
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私なんて死んだらいいのよ
あの赤い海に落ちて

白い雪降る群青は
なんて寂れた景色なの
灯台の照らす光の向こうは
いつしか闇につつまれて

ただ、それだけ
1%だけ、片隅に留めてくれたら
良かったのに

人はそれを許さないの




H29.1.20

2017/01/20 (Fri)

[94] リップス
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通り雨の降った日に
あなたはぽつりと呟いた

もうこれで終わりだね

って

私はただ、俯いていた

何がそうさせたのかは知らないの
桜の散る春の日から
雪の積もる一昨日まで
気がついたらなくなっていた

私は手のひらに
リップのかけらを握りしめながら

この紅も
あなたのために選んだのに

って 涙を
こらえた

最後に キスして
そんな願いも言えぬまま

あなたは 雨と共に
去っていった




〜Goose house『L.I.P's』を聞いて〜
H29.1.22

2020/03/21 (Sat)

[95] 今日の失敗
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帰ってきてから気づいたの
もう、あなたはいないんだって

おいしい料理
作ろうと思って材料も買ってきたのに

疲れるよ……それでも

あなたに会いに
もう一度、この部屋を出ていくの

買いにいってきます
サラダ油




H29.2.19

2017/02/19 (Sun)

[96] 午前ニ時
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疲れた身体が目覚めると
窓は漆黒の闇
雨の叩く音だけが
辺りを包み込んでいて
熱いシャワーを浴びながら
あと二時間だけ眠ることを考える

髪からしたたる雫を拭い
コップ1杯の水を飲む
巡る水はすっと身体を重くして
眠りへと私を誘うけど

熱い風を髪に当てながら
ふと川辺の桜を思う
今年もそんな季節が咲いていた

儚く咲き散りゆく姿に
何人もの芸術家がそれを唄い
その下で陽気な人が酒を飲む

染みゆく水を感じつつ
また一つ季節が終わったと
ふっと悟った午前二時





H29.4.9

2017/04/09 (Sun)

[97] 私の作品たちへ
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大したことないなんて
謙遜したふりして
愛のことばをかけてあげられない

褒められたなら
いい作品なのだろう、なんて
褒められたから
愛そうなんて

ごめんね

私の子どもたちは
深く傷つき
疑心にあふれる

思ってるだけじゃ
伝わらないんだよ

ごめんね
もっと愛したい
もっと愛そう

やっと
そう思えるようになったの





H28.6.4

2017/06/04 (Sun)

[98] Dear Music
詩人:理恵 [投票][編集]

時には冷やかされて
時には嫌がらせされて
僕には、素直に愛せなかった

そんな時を経て
僕はまた、君と出会った

今は、冷やかす人も
嫌がらせする人もいない中で
時々、悲しかったことを思い出すけれど

また、隣にいてもいいですか?

親愛なる君へ





2017.8.5.Sun

2017/08/06 (Sun)

[99] 思い出すと
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過去を思い出すと、
時々死んでしまえたらいいのに、
と思う。


嫌だったことを思い出すと
この身が砕けても無惨でも
全てがなくなればいいのに、
と思う。


あの人を思い出すと
桜の花びらに埋もれるように
深い海の底に沈むように
悲しみと安心に襲われる。


この違いはなんだろう。





2017.8.15.Tue

2017/08/15 (Tue)

[100] 鼓動を鳴らして
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今も聞こえるでしょうか
あなたと出会った暑い日が

最後にあなたは
あの日をはっきりと覚えていると
言ったけど

あなたと別れて時が経ち
私は忘れそうです

こんなふうに
人は老いてゆくのでしょうか

あなたの愛犬の誕生日も
忘れてしまいました

ただ、最後に
白い部屋に舞うであろうあなたの影を
見ることは叶わぬと
離した手

あなたは今も
そこにいますか?

頭の片隅で凛として
時々、ふわりと舞い降りる

今も、その鼓動を
感じていますか?

私はもう一度
あなたに会いたい。






2017.8.15.Tue

2017/10/09 (Mon)

[101] 
詩人:理恵 [投票][編集]

トッコンカラリ、トッコンカラリ

つむいでいくの、ひとつひとつ

トッコンカラリ、トッコンカラリ

いち、にの、さん、し、

トッコンカラリ、トッコンカラリ

ひとつがふたつの四角い井形

トッコンカラリ、トッコンカラリ

これはあなたで、これがあのひと

全部つむいでわたしになる。





2017.9.21

2017/09/21 (Thu)
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