あなたに会いに行きました

古いアルバムの中

あなたは動きはしないけど

時間は確かに流れておりました

セピア色した記憶は

ほんの一時だけ色づいて

確かにそこにありました


閉じた茶色の表紙絵は

鮮明に今を映し出しました

またあなたに会いに行っても

良いでしょうか

と　見上げた空は

いつもより艶やかで

夏の終わりを告げています





H27.9.11

嵐が来る

なのに雨はサーサーと降って

暗い夜を包み込む

心地よいほどのそれに

窓を開けて耳を澄ませた

夜の空気はゆるりと入り

換気扇から抜けていく

あと少し　もう少し

長い夜を包んでくれたら



雨音は大きくなる

耳をつんざくようになったそれに

幻滅しながら

明日の朝にはきっと

嵐がやって来るだろう





H27.9.8

私はあなたの空気でいたい

誰にも気づかれずにそこにいて

誰も知らないような存在でいて

あなたに見向きもされなくて

それがなくては生きていけないような

透明な存在でいたい





H27.9.8

私は敵
赦されざる忌むべき君


自分だけが味方？
冗談じゃないわ！
自分を味方に回したら
世界は理解できないことで溢れてしまう


ライバルなんて
清々しいものじゃないわ
ドロドロとした沼に住む
なまずのような関係よ


あなたは私を信じてはいけない
私もあなたを信じていない
あなたは私に微笑んではいけない
私もあなたに微笑んだりしない


月明かりの下
弓の背のように光る刃(は)は
あなたに向けるためのもの
あなたと手を取り合うことは
それ以外のすべてを捨てること


それで生きていける？
いけないでしょう！
わかり合うべきではないわ
世界とわかり合えなくなる


馬鹿でも孤独でも笑われてもいい
これが私なの！
我慢することの何が悪い！
自己破壊的なことの何が悪い！


私に自由を許してはいけない
私がつらいからなんだ！
それと引き換えに手に入れるのは
周りに撒き散らす迷惑だ！


赦さない
周りを犠牲にして手に入れる快楽など
たとえ何があったとしても
赦さない
赦さない
赦さない






H27.8.13

会いたくない

会わなければとても会いたくなる人だけれど

あなたに会うのは

とても悲しくてつらいこと

だから、まだ・・・

これから先、会えるかわからないけど

あなたには会いたくない



H27.8.8

疲れたなって思うとき

ふとあなたが浮かぶの

１人全てを抱え込み

とても疲れた顔をするけれど

私にはないものを持っている


疲れたなって思うとき

ふと海が浮かぶの

あの広大な海原の隅っこで

１人沈んでいたい


あなたが持っているものは
いらないから

全てを

捨てて





H27.8.7

心の隅にかかってた
虹が薄れて溶けていく



私は何もできなくて
ただただ見つめ佇むだけで



気がついたらこの手に持っていた
人形を引きちぎってた





H27.7.14

願いをかけたら
叶いそうな日

叶うわけないと
叶ってもそれは実力だと
わかっているのに
願ってしまう

きっと、幸せになりたいから

泳げない
彼氏がいない
あの子が病気

そのたった一つが
自分を不安にさせる

幸せになりたい
みんなの願いが集まる日





H27.7.7

古いアパートの
電気が壊れた

首を括ろうとして失敗したカーテンレールは
折れたまま

ガス代払っていたのに
何が悪かったのか
お湯が出なくなった、冷たい風呂場

私の心が荒れるままに
同じように荒らしたこの部屋に
助けなんて呼べないよ

一緒に壊れていく
この部屋と






H27.7.7

いま、あなたは
何してますか？

今日は、暑かったですね
でも、お昼までは
曇っていましたね

あなたを身体にたくさん浴びた午後
少しのシミなら気にしない

今年も、こうして
思い出すのですね
私の想いの帰る場所は
結局あなたのようです

けれども、もう届きはしない
あの雲の遥か上で輝くあなたに
ただ憧れている





H27.6.22