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理恵の部屋


[105] あの頃の私
詩人:理恵 [投票][得票][編集]

あの日の私が泣いている
お前も私を置いていくのかと


産まれたときから一緒だった
一心同体で過ごしてきた
ずっと、それが続くと思ってた


あなたはあたしを苦しめていたと言うのに
寂しいものだな
あなたを慰めながら
共に行けると思っていたのに


幼い記憶は一緒に行けないらしい
あなたは苦しい記憶の中で、苦しいまま


まるで、乗り込んだ列車が
勝手に動き出すように
ホームに残されたあなたと繋いだ手が
離れていくように


これが別れになるとは思わなかった


まだ、寂しいと思う気持ちが引き留めているけれど
きっとあたしはすぐにでも動き出せる
その準備はできている


あなたはあたしを恨むだろう
一緒だと思っていた二人は、一緒じゃなかった


ただ、一つ
あたしは名残惜しいよ
それでも首にかけた輪がちぎれたとき
この運命は約束されていたんだ


本当はあなたも連れていきたかったよ


でも


もうすぐ発車のベルが鳴る





2017.12.14

2017/12/14 (Thu)

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