ホーム > 詩人の部屋 > 理恵の部屋 > 無意味

理恵の部屋


[118] 無意味
詩人:理恵 [投票][編集]

喉が焼ける
キャンバスに書きなぐった点描が
返り血みたいに私を染める
ねえ、ねえ
あの空を覚えているでしょう?
みどりと言う名の青い鳥が
羽ばたいて窓から消えた
もう、視界がぼやけて見えないの
黒い夜に沈んでしまいそう
深く深く底のない色の中へ
息できないよ、ママ
一番愛してほしかった
あなたに愛してほしかった
人間じゃないものね、私
あなたが言ったのよ
私は人間じゃないって
肩叩きも意味ないの
朝起こしたって意味ないの
ネーネの方がいいものね
あら、これもあなたが言ったのよ
新たな干潟に思いを馳せながら
モーニングコールでもしてもらえばいいわ
私の命より結果オーライの単独事故
あなたと一緒にいてはいくつ命があっても足りないわ
さよなら
私、10年前から血の繋がりなんてないの
そして新しいATMを見つけたわ
不要な口座は閉めただけ
さよなら
精神をすり減らすだけの関係でしかない
死んで、なんて高望みしないから
もう関わらずに生きたいわ
だから





2018.5.21

2018/05/21 (Mon)

前頁] [理恵の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -