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理恵の部屋


[122] 中也に寄せて
詩人:理恵 [投票][編集]

この道をゆきて着いたらば、
何待ち構へたるものか、
われは知らぬ、だがゆかん。

この道をゆきて秋風ふけば、
立ち止まりて思ひ馳する、
われは知らぬ、きみのこと。

この道をゆきて触れたらば、
知らぬ世界に実感もなし、
しかし確かに、きみはゐて。

この道を戻りて手元(たもと)を見れば、
尽力の賜物が頁を連ね、
亦たどりぬる、その人生(みち)を。

この道を戻りてきみに耽れば、
今さらそれを噛みしめて、
われ筆を執り、認(したた)めぬ。

この道を戻りて灯りの下で、
未熟な理解と知りつつも、
刻ませて賜ふ、この詩(うた)を。





H30.10.19

2018/10/24 (Wed)

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