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阿修羅の部屋


[162] 某れしか無くて
詩人:阿修羅 [投票][編集]


「アイシテルよ」



簡単に、言ってしまえるんだね




「ズット、一緒ニイルから」




口約束なんか
破るのはたやすいだろ





見つめてくる瞳は

あたしを通り越して


本当はどこを見てるの





情事の間

口走る名は
あたしのそれではなくて


聞こえない振りして

決め込む演技は



唯々鮮明に

見つめたくない自分の感情を

浮き上がらせる



知らないふりして

抱かれていた


今の今までが

音を立てて
崩れていく



求められているのが

自分ではないのに


某処へ堕ちてゆく


あたしを赦して








貴方が好き



好き




好き

2007/06/03 (Sun)

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