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阿修羅の部屋


[205] きっと、手を離す日。
詩人:阿修羅 [投票][得票][編集]


あなたがいなくなったのも

こんなあたたかい日で


さようなら、それだけが
上手く言えなかった



小さく、息をしていた

その優しい手を
ぎゅっと握って

淡い、あわい
恋心と微かな
不安に揺れていた



いつか消えてしまう灯火を
心の中に見ていたから



小さくなる、
背中を追いかけて

泣いていた
傍にいたくて



目を見つめて
強く両手
繋いでいてくれた
寒い夜のこと

今も胸が苦しくなる


生きてゆけると
そう思えた



あなたがいなくなった日も

こんなあたたかい日で


さようなら、それだけが

うまく言えなかった



届かないこと、知っていたから



名前、呼ぶから答えてよ


笑って、名前

呼んでくれれば、それで


せめて、あなたの
中にいた証を


すきだった

だいすきだった




つよい、め

ひくい、こえ

へたくそな、ことば


今のいままで忘れられない



遠くなる、背中

手を伸ばしても

すき、も

響かない






あなたがいなくなった日は

今日に似た、むかしで


深呼吸して伸びをすれば

すこしだけ

ほんの、すこしだけ

うまく言える


さようなら




いつだって

時計の針は進んでいるから




そうやって、微笑って



(Lucid様へ、詞提供候補)

2008/02/03 (Sun)

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